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膜構造 を用いた超大型防潮水門技術の提案を検討しています。
基本的課題の解決と信頼性向上に研究を要します。詳細は下記の通りです。
1.提案の評価結果
トップ頁の評価結果は下記の通りです。
(1)提案理由が充分でありません。即ち、
@実現コストが従来形式の1/3〜1/2です。
Aしかし、信頼性を従来形式レベルまで改善する必要があります。
(2)実現性に関わるリスクが排除されていません。即ち、
@基本的課題に未解決の部分があります。
A必要な実機検証が済んでいません。
B特許権者の同意が得られていません。
C受益者と利害が一致しています(営業経緯)。
(3)検証段階はレベルT(アイデア段階)です。
2.膜構造を用いた防潮水門の実現
膜構造の防潮水門を実現する主要なポイントを示します。
(1)操作性の確保
膜体構造の大型防潮水門を実現するに当たって最大の課題は水路の閉鎖・解放が短時間で行える操作性の確保です。図−1は中型防潮水門のイメージを示します。
径間が75mで、解放時は膜体構造を海底に格納する底部格納方式であり、敏速な操作性を次の方法で実現します。
@頂部圧縮梁、底部圧縮梁、及び、両端2本の支持柱を剛接して枠組みを形成します。
A膜体構造を枠組みの支持柱の間に緊張状態(伸ばした状態)で張ります。
B枠組み構成材内部に空気を注入して膜体構造を枠組みと共に浮上させ、水路を閉鎖します。
以上は底部格納方式について示しましたが、有望と考えられる格納方式の例を図−2に示します。
(2)膜体構造の浮上防止
水中にある膜体構造の前後に水圧が作用すると膜体に伸びが生じて円弧状(水平面内)に変形します。変形量は水深方向に一様でなく、水面付近で小さく水底で大きい傾向
があります。その結果、膜体に浮力が作用して底部が上昇し、漏水が発生する可能性があります。図−3は傾斜した石柱戸当たり面を示します。
膜体に水圧が作用すると支持柱が石柱戸当たり面に当たって膜体が下向きに姿勢を変えます。水圧の作用方向がその分だけ下向きに変わり、膜体の浮上を
妨げる方向に作用します。
(3)膜体張力の減少対策
支持柱間の膜体構造は伸ばした状態で張られるので、作用水圧と均衡状態にある膜体の変形量は低く抑えられます。膜体張力は弛ませて張った状態より大きいので、建設コストがその分だけ大きくなります。
大規模水門ではコスト的影響は僅少ですが、小規模の場合は致命的となる可能性があり、張力を減らす対策が必要です。図−4は小型防潮水門のイメージを示します。
径間が30mで、波浪に対する港内静穏化が主な目的であり、次ぎの方法で張力の減少を実現します。
@剛接枠組みの支持柱間に膜体構造を伸ばした状態で張ります。
A膜体張力が設定値を超えたらば支持柱が回転して膜体が所定量まで引き出されます。
B膜体張力が設定値より下がると支持柱が逆転して膜体を巻き戻します。
この例では、膜体の引き出し量が、膜体中央部の変形量(水平面内)に換算して、径間長の10%であるのに対して張力は60%も減少し、10%の引き出しに要する支持柱の回転角度は僅か30度です。
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