港湾の水路・船渠、運河の閘門、河川のダム・堰・水門・発電所、灌漑水路などで使用される水門扉、取水設備、
  放流設備、排砂設備等の水鋼構造物について技術提案を行うことを目的としています。


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技術提案4 【取水設備・・連続サイホン】

 
 















 連続サイホン を用いた取水設備技術(貯水池等)を提案します。詳細は下記の通りです。

1.提案の評価結果

 トップ頁の評価結果は下記の通りです。
(1)提案理由
 @実現コストは従来形式の1/3〜1/2です。
 Aメンテナンスコストは従来形式の1/3〜1/2です。
(2)実現性に関わるリスクは排除されています。即ち、
 @基本的課題は総て解決しています。
 A関連技術の開発は終了しています。
 B必要な実機検証が終わっています。
 C受益者と利害が一致しています(営業経緯)。
(3)検証段階はレベルV(短期実機検証段階)です。

2.貯水池用取水設備のイメージ

 図−1〜4は従来技術による貯水池用取水設備のイメージを示します。 用水や放流水の水質管理を目的として、取水層が選択できる様々な形式の選択取水設備が設けられます。 指定層からの選択的取水は密度流の利用で行いますが、その詳細は参考資料1および2に示されています。 近年、下流河川の水質要求が高まり、この様な設備の重要性が増しています。 尚、図−1〜3は多段式取水ゲートであるのに対して図−4は多孔式と呼ばれています。

貯水池の取水設備のイメージ

3.連続サイホン誕生の経緯

 連続サイホン式取水設備の前身はサイホン式取水設備であり、この形式は英国に於いて1960年代の初期に発明されました。 逆U字状のサイホン管を取水塔の壁面に埋め込み、その頂部に空気を出し入れして開閉を行うものです。 詳細は参考資料3および4に示されています。

 英国の発明はゲートレスの点で革新的なものですが、サイホン内水面位置の検出に電極センサーを用いた結果、建設コストが従来方式に比較して高くなる欠点がありました。 取水塔はセンサー取り付け用乾燥槽を設けるために断面が大きくなり、又、乾燥槽内にはセンサー点検用のデッキ、階段、エレベータ、ベンチレーター、照明設備などの設置が必要になった結果です。

 サイホン管内の空気圧が貯水位とサイホン管内水位の差を表すことに着目し、空気圧センサーを操作室内に導入することで大幅なコストダウンが可能となり、羽地ダムのゲートレス取水設備が実現しました。 詳細は技術資料5〜7に示されています。

 羽地ダムの取水設備は従来方式にない多くのメリットを実現しましたが、多孔式であるが故に取水設備の幅広いニーズに答えることができませんでした。 この点の改善を重ねた結果、連続サイホンに行き着きました。 羽地方式とこの方式の相違は上段サイホンの底板が下段サイホンの頂板を兼ねていることです。 その結果、多数段のサイホンを連続的に配置することが可能となり、多段式ゲートと同一レベルの選択取水機能を持つ連続サイホン式の構想が実現しました。 図−5〜7に小規模、中規模、および、大規模の計画事例を示します。

連続サイホン計画事例(小規模・中規模)

連続サイホン計画事例(大規模)

4.連続サイホン式取水設備のメリット

 サイホン取水管は空気により開閉されるので、動く鋼構造物のゲートと比較して、様々なメリットがあります。

(1)コストが従来形式の1/2〜1/3程度です。
  @建設コスト:
   ・鋼板は製作上必要な最小厚さです。
   ・全段同一寸法、且つ、要求加工精度が低いです。
   ・上段底板が下段頂板を兼ねます。
   ・スクリーン面積が小さいです。
  A維持管理コスト:
   ・機械設備は総て操作室内にあます。
   ・高所作業がありません。
   ・大型重量物のハンドリングがありません。
   ・水中作業がありません(サイホンはメンテナンスフリー)。
   ・機械設備は汎用標準市販品です。

(2)水密性は万全です(空気止水、消耗無し)。

(3)信頼性が高いです。
  @堆砂:砂に埋もれてもそれなりに開閉できます。
  A結氷:表層が氷結しても下層から取水できます。
  B流木:水面が埋まっても下層から取水できます。

 図−8は連続サイホンの建設コストが従来形式の1/2〜1/3程度であることを間接的に示しています。 連続サイホンと従来形式の設備重量(鋼部分)を共通軸上にプロットして示しました。 横軸は”Qの平方根×取水範囲”です。 Qは取水量、取水範囲は常時満水位と最低水位の差であり、両者の積は設備規模を表す変数で選択取水設備の設備重量との相関性が良いことが知られています。 縦軸は設備重量です。 横軸、縦軸共に対数表示です。 青が連続サイホン、赤が従来形式を表します。 従来形式は型式別に表示しました。 従来形式の重量は実績値ですが、連続サイホンは計画重量です。 赤群と青群の差は全ての範囲において概ね同一です。 同一差は設備規模の全範囲にわたって重量比率が一定に近いことを意味しています。 比率は形式により若干異なるものの概ね2〜3倍です。 小型から大型設備迄の全範囲で建設コストが大幅、且つ、一様に低減できる可能性を示しています。 尚、連続サイホンの重量は、建設コストを低く押さえるよう設定した設計仕様に対するものであり、詳細設計段階で顧客から仕様アップが要求され、結果的に重量が増加する傾向にあります。 増加率は実績的に数%〜55%でありますが、連続サイホンの圧倒的なコスト優位性は変わりません。

連続サイホンの設備重量

5.実績と納税者への貢献金額

 表−1は連続サイホン式取水設備の実績と工事費節減による納税者への貢献金額を示します。

連続サイホンの工事実績

6.参考資料

連続サイホンの参考資料


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